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喘息は軽度や中等度の方でも、命にかかわる激しい発作を起こすこともあるので油断はできません。
子どもの病気と思われがちですが、成人してから発症するケースが多いのも特徴のひとつです。
大人の場合、咳などの症状が続いても風邪の症状だと思い喘息をこじらせてしまうケースもあります。
風邪や気管支炎と間違えやすい喘息とは?
今回のトピックスは大人の喘息についてです。
⦿どんな症状があらわれるか?
・呼吸時の喘鳴(ぜんめい)、咳、息苦しさ(呼吸困難)
呼吸のたびに気道がゼーゼーしたり、ヒューヒューと鳴る症状を喘鳴といいます。喘鳴が特徴的な症状のひ
とつですが、喘鳴がなくても咳だけが続いたりする場合もあるため、風邪や気管支炎と間違えやすいです。
⦿どんな時に症状がでるか?
・夜、深夜、明け方
昼間はなんともないのに、ベッドに入ると苦しくなったり、深夜に咳が止まらなくなったり、明け方に息苦
しいなど、これらの症状が喘息の特徴といえます。風邪の症状であれば昼間も咳が続いたりしますが、喘息は
昼間はケロッとしていることも少なくありません。こうした症状を見分けて早めに受診し、適切な治療を受け
るようにしましょう。
⦿原因はなんでしょう?
・アレルギー、気道の炎症、運動誘発性、呼吸器感染やストレスによる心因性
喘息は気道が狭くなり起こると考えられていましたが、最近はもともとの気道の炎症が原因ではないかと
されています。気道の炎症を繰り返すことで過敏になります。そのため気管支壁が厚くなり気道が狭くなるこ
とで喘息が起きやすくなります。
アレルギー性疾患の場合には、ハウスダストやダニの糞や死骸、動物の毛や花粉や食べ物などさまざまな要因
の中から原因物質(アレルゲン)を特定する必要があります。
運動誘発性とは、運動したときや冷たい空気に触れた時など起こるケースです。
鎮痛剤が原因で起こる「アスピリン喘息」は、大人の喘息の10%程度該当し、30~40歳代に多いです。
すべての鎮痛剤で発作が起きるわけではなく、起こしにくい薬もありますので、担当医師にご相談ください。
⦿対策方法
・気道の状態の把握、気候の変化に注意、激しい運動を避ける、アレルゲンの除去、ストレス回避
ピークフローメーターという息が流れる速さを測定する機器があります。3000円前後で販売されていま
すので、ご自身気道の状態を知ることが可能です。
喘息発作は、季節の変わり目、梅雨時期などに起こりやすい傾向にあります。気温が急に下がったり、前線の
影響も少なくありません。
激しい運動は喘息発作の引き金になる場合もあります。旅行での気圧の変化や高所への移動の際、息切れな
どから突然激しい発作が起こらないように、医師に事前の相談をする事が望ましいです。
アレルギーの原因物質を減らすため、こまめに室内の清掃を行いましょう。タバコなどの煙は発作を誘発する
恐れがあります。
ストレスは回避したいものですが、現代はストレス社会です。十分に睡眠をとり、規則正しい生活をこころ
がけ、積極的にストレスを発散しましょう。
⦿治療方法
・発作が起こらないようにする治療、発作が起きた時にする治療
慢性の気道の炎症をおさえ症状が起こらないようにすることが重要です。「吸入ステロイド」で炎症をおさ
え、発作を起こしにくくします。ステロイドと聞くと「副作用が怖い」と感じる人もいますが、飲み薬とは違
い、患部にだけ作用するので、長期の使用にも適しています。
喘息の発作が起きた場合は、効果がすぐに出る発作治療薬を使って発作をしずめることが最優先となります。
発作治療薬としてよく用いられるのは、気管支を広げる短時間作用性吸入β2刺激薬です。テオフィリン薬を
併用することもあります。呼吸が楽にならず症状が改善されない場合は、医師の診察をうけましょう。