春から秋にむけて虫さされることがありますが、アレルギー反応により「アナキラフィシーショック」という命に危険を及ぼす症状が出る場合もあります。虫に刺された時の症状・治療法・対策について紹介します。
⦿刺されるとかゆみが出る虫
・蚊
刺されてすぐに発疹ができ、かゆくなる即時型反応と 、1~2日後に症状が出る遅延型反応の両方あらわれます。
・ブヨ
刺されて半日くらいしてから赤い発疹があらわれ、だんだんかゆみが強くなります。
・ノミ
体長は2~3mmほど。刺されて1~2日後に赤い発疹と強いかゆみがあらわれ、水ぶくれができることもあります)。
・ダニ
イエダニの仲間は体長0.7mmほどと小さく、布団の中にも入り込むので、夜寝ているときに被害にあう人が多いです。刺されて半日~1日後くらいに赤い発疹と強いかゆみがあらわれます。
屋外ではマダニに刺されることもあります。マダニは体長1~3mmと大きく、皮膚で吸血しているのを無理に取ろうとすると、頭が皮膚に残って炎症を起こすことがあります。また、ダニの種類によっては感染症を移すこともあるので注意が必要です。
⦿噛む虫
・クモ
咬まれたときに痛みを感じ、赤く腫れてきます。
日本にもいるセアカゴケグモという強い毒をもつクモの場合は、毒が少ないので重症化することはあまりないといわれていますが、激痛やリンパ節の腫れ、呼吸困難などがあらわれたらすぐに病院に行きましょう。
・ムカデ
咬まれると激痛が走り、しびれが生じます。だんだん赤く腫れ、人によってはハチに刺されたときのようなショック症状を起こすこともあります。
⦿刺す虫
・ハチ
刺されるとまず強い痛みを感じ、皮膚が赤く腫れます。はじめて刺されたときは、ふつう1日以内に症状が治まります。2回目以降は、ハチ毒に対するアレルギー反応のために刺された直後からじんましんが出たり、1~2日後に赤く腫れます。
アレルギー反応が強い方では、刺されて30分~1時間で血圧低下や意識消失が起こり、場合によっては死に至ります。このような症状を「アナフィラキシーショック」といいます。
⦿有毒の毛に触れると皮膚炎を起こす虫
・毛虫
毒のある毛虫に触れると、赤い小さな発疹がたくさんあらわれ、激しいかゆみをともないます。じんましんのようになることもあり、掻くと広がっていきます。イラガというガの仲間の幼虫の場合は、触れた瞬間ピリピリとした痛みと発疹が生じ、1~2時間でいったん治まるものの翌日赤く腫れてかゆくなることがあります。
⦿治療薬について
虫さされの治療には、おもにステロイド外用剤が用いられます。皮膚の炎症を抑え、かゆみ、発疹、腫れ、痛みなどをやわらげます。
患部を掻き壊すと炎症が悪化し、子どもの場合は「とびひ」などの細菌感染を引き起こす恐れもあります。二次的な細菌感染を防ぎましょう。
市販薬を使用しても症状が改善しない場合、あるいは患部に水疱が出来たり、灼熱感や強い痛み、全身にじんましんが出る、などの症状があらわれた場合は、医療機関を受診して下さい。
毒性の強い毛虫やハチに刺された場合は、医療機関を受診することが必要です。
⦿虫よけ対策
長袖&長ズボンなど肌を極力露出しないようにしましょう。蚊は汗のにおいにつられてやってくるので汗をかいたらこまめに拭きましょう。
シトロネラ、レモングラス、ローズマリー、ラベンダー、ティートゥリーなどが効果的と言われています。人に害がなく安全ですが、虫に対しても効果は弱め。市販の虫よけを使いたくない、肌に合わない場合などはハーブを活用するとよいでしょう。
スプレーやクリームタイプ、洋服に貼り付けるシールタイプ、腕に付けるリングタイプ、玄関や窓近くにぶら下げておくタイプなど用途に応じて活用しましょう。
虫除けに含まれる忌避成分に「ディート」という成分があります。6ヶ月未満の乳児には使用できません。用量・用法を守りましょう。