⑧飲み合わせ(食品編)
⦿グレープフルーツジュース
グレープフルーツジュースに含まれる成分が、薬の分解を阻害するため、薬の作用が強くあらわれると考えられています。高血圧や狭心症の治療で使われる
カルシウム拮抗薬や
高脂血症治療薬、
免疫抑制薬などの
薬の効果を増強する(薬が効きすぎてしまう)可能性があります。
「グレープフルーツジュースと薬を一緒に飲まなければ大丈夫?」
グレープフルーツに含まれる成分による影響の持続時間は薬によって異なります。
3~4日間は持続することがあるともいわれています。また、
少量の摂取であっても影響することがあります。
カルシウム拮抗薬を服用している間は、グレープフルーツジュースを飲むことは控えてください。
⦿納 豆
血液をサラサラにして血栓ができるのを防ぐお薬として
ワーファリン(ワルファリン)があります。ワーファリンを服用中の方が
ビタミンKを多く含む食品を食べると、
ワーファリンの作用を弱めてしまうので多く食べないようにすることが大切です。
「納豆だけがダメなの?」
ビタミンKを多く含む食品としては
納豆、
クロレラ、
青汁、
緑黄色野菜などが あります。
※納豆以外の大豆食品は大丈夫です。緑黄色野菜は普段食べる量では問題ありません。
ワーファリンを服用中の方で健康食品の購入をお考えの方は、必ず主治医や薬剤師に相談して下さい。
⦿アルコール
アルコールには、中枢神経を抑制する作用があります。この作用は摂取量に比例し、薬との同時摂取で
作用が増強します。特に、
睡眠薬、
抗不安薬、
糖尿病治療薬、
抗生物質、
鎮痛薬は危険です。
副作用も増強するため、
眠気、精神運動機能低下、前向性健忘などが現れることがあります。
常用飲酒者がアセトアミノフェンを特に高用量(4g/日以下)飲むと、大量に代謝された肝毒性物質の蓄積によって肝障害を起こすことがあり得ます。
薬を服用している期間はアルコールは控えましょう。
⦿牛 乳
牛乳はアルカリ性で、カルシウムが含まれているため、次のようなタイプの薬に影響があります。
・抗生物質、抗菌薬、鉄剤
カルシウムと薬が結合し、
薬の効果が弱められてしまい
ます。
・
便秘薬
一部の
腸溶錠(腸で溶ける薬)が胃で溶けてしまい、その効
果が正しく発現しない場合があります。
・
角化粧治療薬
牛乳の脂肪分によって吸収が増加します。
抗菌薬の服用後2時間程度牛乳の摂取を控えましょう。消化性潰瘍薬、骨粗しょう症の服用中は牛乳の大量摂取はさけてください。
⦿セントジョーンズワート(西洋オトギリソウ)
健康食品やハーブティー等の中にセントジョーンズワートとい
う植物が含まれているものがあります。
セントジョーンズワートに含まれる成分が薬の分解を促進する
ため、 効果が弱まると考えられてます。
喘息治療薬、抗不整脈薬、ワーファリン、てんかん治療薬など服用中は、サプリメントやハーブティーの成分を確認しましょう。
⦿青 汁
健康体の方が青汁を飲んでも、身体に悪影響はありませんが、青汁に含まれるビタミンや栄養素が、
薬の効果を強くしたり、薬の効果を弱めてしまったりすることがあります。青汁との飲み合わせで注意すべき薬は以下の薬です。
・テトラサイクリン系抗生物質:塩酸テトラサイクリン (アクロマ
イシン)
・角化症治療剤:エトレチナート(チガソン) 抗悪性腫瘍薬・トレ
チノイン(ベサノイド)
・利尿薬(炭酸脱水酵素抑制薬):アセタゾラミド(ダイアモッ
クス)
・卵胞ホルモン薬:エストロゲン(プレマリン)
・抗てんかん薬:フェニトイン製剤(アレビアチン)
・血液凝固防止薬:ワルファリンカリウム(ワーファリン)
・骨粗鬆症治療薬(ビスホスホネート系製剤):リセドロン酸ナト
リウム水和物(アクトネル、ベネット)
・強心薬:ジゴキシン(ジゴキシン)
青汁に含まれるビタミンによって副作用がでる可能性があります。青汁を摂取する事が可能か、担当医に相談しましょう。