睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、文字通り睡眠中に無呼吸や低呼吸(呼吸が止まりそうな状態)が起こる病気です。
無呼吸+低呼吸が1時間に5回以上でこの病気と診断され、30回以上だと重症です。
患者の割合は2%程度、国内では200万人以上いるとみられます。
でも、睡眠中に無呼吸になっても息苦しさを感じないし、起きている時に無呼吸は起こらず眠気や頭痛が出やすいくらいなので、患者本人は気づかないことが多いです。
無呼吸や低呼吸は数秒~数十秒、長いと1分以上続き、その間に血中の酸素濃度が徐々に低下します。
血中酸素飽和度(SpO2)はパルスオキシメーターで調べることができ、基準値は96~99%で、低いと呼吸不全で危険な状態といえます。
例えばコロナウィルス感染症ではSpO2が93%未満で中等症Ⅱと診断されます。
SASで無呼吸が長く続くと、一時的に血中酸素濃度がなんと70%以下まで下がることもあるそうです。
その状態になると脳が指令を出して呼吸が再開し、急激に酸素濃度が上がります。
呼吸の停止→再開を一晩に何度も繰り返しているわけです。
SASの患者は睡眠中に酸素が臓器に十分行き渡らないため、心筋梗塞や脳卒中など命に係わる合併症を引き起こす確率が高いことがわかっています。
SASは放置すると大変危険な病気だとおわかりいただけたでしょうか?
身近な方で、睡眠中の呼吸停止や呼吸が再開するときの大きないびきに気づいたら、本人に受診するよう伝えてください。(次回に続く)
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